担当制保育(0〜2歳児)

個人差の大きい乳児は、子どもの安心感を第一に考え、いつも同じ保育者によって、ゆったり、しっかり保育ができるよう担当制にしています。飲みたいときにミルクが飲める・眠りたいときに眠ることができる・オムツが汚れているときにすぐ換えてもらえるといった基本的な生活の安心感が得られることによって、自ら発育・発達ができると考えています。また、まだ言葉が未発達な子どもの微妙なサインを受けとめるためにも担当制保育が好ましいと考えています。




異年齢児保育(3歳以上)

少子化・核家族化が進む中、異年齢同士の交流が乏しくなっています。就学後は同学年のみの生活がメインとなって参りますので、せめて保育園では異年齢で多くの時間を過ごした方がいいと考え、3〜5歳児で取り組んでおります。小さい子は、お兄ちゃん、お姉ちゃんを見て、「早く自分もそうなりたい」とオムツが簡単にとれてしまったり、「来年はこんな風になれるんだ。」と目標が持てたりします。また、年上の子どもたちは、小さい子どもをリードしたり、ときには我慢したりと、保育者すなわち大人が指導することでは得られなかった子どもたちの成長を日常的に見ることができます。保育者としては大変技量のいる保育ではありますが、7年間の経験を経て今井保育園の大切な取 り組みの大きな柱となっています。

子どもと保育者の関わり

大人は常に援助する人であり、教え、上からものを言い指導する人ではないということを基本に子どもたちと接しています。

子どもも大人も人格を持った一人の人間として、子どもに上からものを言い指導するのではなく、子どもの目線に立って、一人の人間として関わっていくことを心掛けています。
大人として常に子どもに見られているということを忘れず大人として「やって欲しくないこと」をしっかり伝えていきたいと思っています。
常に子どもの見本となるよう心掛け、子どもたちには保育者の姿を見て成長していって欲しいと考えています。






安心感の持てる保育

1日の大半を保育園で過ごすわけですから、子どもが緊張感や不安感に包まれていては自分の力を発揮できず、周りの大人や友達とも信頼関係ができないのではと考え、生活の流れを決め、特別なことがない限り毎日の生活を一定にしていく日課となっています。
しっかりとした日課を組み立てることで…

「今は何をするとき」「次はどこで何をするとき」と自分で見通しを持って行動できるようになり、その時々の活動に集中できるようになります。
何の手助けもせず、「どこでも好きな場所に自由に座って食べる」などというのは自由というものの取り違えだと考えています。自由とは秩序や責任や義務を伴うものであることを保育者が認識することが大切です。それを理解せず子どもたちを自由にしていては、席を取り合って些細なケンカが始まるなどということが毎日起きてしまいます。そうしたことをなくすためにも、日課をしっかりと組み立てています。また、過密カリキュラムに子どもが押し流されず、自分から自発的に行動できるようゆったりとした日課をつくるよう心掛けています。

環境について

人的環境について
家庭的な保育園を目指し、子どもたちが安心できるように保育者の服装を家庭にいるお母さんのような服装にしています。以前はトレーナーやジャージにエプロンという服装でしたが、現在は基本的にはスカートです。保育者の服装を変えたことで、ジャージのときのようにあぐらをかいたり、立て膝をついたり足を伸ばして座ったりすることがなくなり、立ち居振る舞いが自然と美しくなりました。子どもたちは見たものを真似しますので、そういう意味からも保育者の立ち居振る舞いが良いということはとても大切なことだと考えます。また、保育者の声の掛け方は子どもに注意したり、ケンカを止めたり、して欲しくないことを話す場合、遠くから大きな声で怒鳴るのではなく、その子どもの側まで行って目と目を合わせ、静かにいけない理由を話すようにしています。1・2歳の子どもでもこちらの思いは十分に伝わります。
その他、遊びを助ける人的環境として…
●子どもの遊びを十分理解し、自分自身も遊べるかどうか
●遊びの主人公は常に子どもであり、決して大人(自分)ではないことを理解しているか
●ふざけと遊びの区別がついているか
●絵本や物語・わらべうた・伝承遊びなどについて十分な知識を持っていて、常に子どもに提供しようとしているか
●自然に対する興味や関心を持っているか
●社会に対する関心を持っているか
以上のようなことを保育者が共通認識することを大切にしています。

物的環境について
壁面の装飾
以前は誕生日表などが貼ってありましたが、字の読めない子どもたちにどんな意味があるのかと考え、その月の誕生日の子どもの写真を飾り、その子の誕生日に、クラスのみんなで祝うようにしました。壁面の装飾がなくなった今は、季節感が感じられるような絵や花を飾ったり、子どもたちが好きな物語をモチーフにした保育者の手作りのオブジェを飾り、心地良い保育室づくりを心掛けています。
 
おもちゃ
丈夫で壊れにくく、子どもの創造性や子ども同士の関わりで遊べるおもちゃを何年もかけて充実させました。ほとんどは木製で壊れてもパーツを取り替えれば修理できるものです。
 
コーナー遊び
子どもが遊びたい所に行って遊ぶという自主性を重んじ、一人ひとりの子どもが十分に自分を発揮できるおもちゃをいつでも手に取って遊ぶことができるように、棚やつい立てを使って遊びのコーナーをつくっています。遊びに集中できたり、遊びと遊びがうまく混ざり合うように、子どもの動線を考えてコーナーを組み立てています。
●ままごとコーナー ●絵本コーナー(3〜5歳児のみ) ●積み木コーナー ●グループゲームコーナー 
 などがあります。

遊びについて

遊びの主人公は子どもですから、動力を使っていないおもちゃで自分たちで工夫しながら遊びます。子どもたちには遊びを通して自分で考え、行動することを学んで欲しいと考えています。子どもたちが夢中になって積んだ積み木などは継続して遊べるよう、一日で片付けてしまわず、次の日も遊べる環境をつくっています。また、片付けるときは「片付ける」という考え方ではなく「元の場所に戻す」と捉え、子どもたちは積み木を色別に分けて片付けたりと遊びのひとつとして楽しんでいます。
遊びについての3本柱

 
おもちゃ…
  頑丈で耐久性のあるおもちゃ・自然素材のおもちゃ・保育者の手作りおもちゃ、保護者手作りのセーター人形など、子どもたちは動力を使っていないおもちゃで自分なりに工夫し、考えながら遊びます。
絵  本…
  日本の昔話など、人としての生き方や作者の思いが子どもに伝わる優れたものを選んで読み聞かせを行っています。絵本は子どもの心を大きく育てるものであり、絵を見てお話を読んでもらって子どもは想像力をふくらませます。また、たくさんの言葉に触れる機会を得ることや、集中して聴く力を養うためにも、今井保育園で力を入れて取り組んでいる保育のひとつです。
わ ら べ 唄…   音域の狭い子どもたちにとって唄いやすい唄であることや、昔からの日本の育児の知恵が含まれていることから、職員も研修を重ね、ひとり30曲以上のレパートリーを持てるようになりました。0〜2歳児では、保育者と1対1で手をとり、膝にのせ、スキンシップを図りながらの唄遊びができ、ゆったりとした安心感と共に、楽しい時間を過ごすことができています。
 




 

食事について

食事は楽しく、そして食べる意欲を育てていくことが大切だと考えています。
今井保育園での食事

 
離乳食を始めるときに子どもと保育者をできるだけ1対1にします。さじを子どもの口に押し込むのではなく、口の前で止め、子どもが自分から食べものを食べるまで待ち、自分で食べようとする意欲を育てます。
1・2歳の子どもたちは、体の発達においても個人差がかなり大きくみられる大事なときです。腕の上がり方、さじの持ち方、食べ方や量など一人ひとりの発達の状態を考え、3人から5人の少人数のグループで食事を進めます。
早い時間に登園した子どもと遅い時間に来た子どもが一斉に食事を摂るのではなく、早く登園した子どもから食事を摂り、午睡へと流れるよう時間差で対応します。また、他の保育者と連携をとりながら、時間差で待っている子どもが不安にならないように心掛けています。
0〜2歳児は担当制をとっており、生活面でも安心できるよう同じ保育者が担当しています。
食事の際、子どもが自ら席につけるように、子どもが座る席は毎日決まっています。また、足がしっかりと床に着かない子には足下に台を置くなどして、咀嚼力がつき、姿勢良く食べられるよう工夫しています。
各保育室でそれぞれの子どもの食べられる量を保育者が盛り付けることで子どもは食べきる満足感を体験し、楽しく食事の時間を過ごすことができます。
 


食器について

当園では子どもたちの食生活を改善するために食器を替えました。また、スプーンや箸などの持ち方の指導も行っています。
以前は…

 

区分けのあるプラスチック製の食器

食器が浅いためおかずがすくいにくかったり、食器が軽く動いてしまうため子どもたちが食べこぼしていました。
 
現在は…
 
 

ふちの立っている陶器の食器・持ちやすい箸やスプーンなど

やや深い食器に替えることで、ほとんどこぼさず食べられるようになりました。
持ちやすい箸やスプーンを使い、腕の上がり具合などの発達に応じて持ち方を個別に指導することで、手づかみで食べることがなくなりました。
 



排泄について

オムツ交換
 
オムツ交換台を用意し、いつも同じ場所で交換しています。
小さな子どもでも見られると恥ずかしいという気持ちを大切にし、オムツ交換台は誰からも見えない場所に配置しています。
わらべ唄を唄いながら手早く交換しています。
 
トイレ
 
自分でトイレに行ける子どもにも一緒についていき、拭き方にも目を向けています。
1〜2歳児では個別の表をつくり、排尿間隔を保育者が知り、タイミングを見計らってトイレに誘っています。
できるだけ尿意を感じる頃に声を掛けることで、負担がかからずトイレットトレーニングをスムーズに進めることができます。
 



午睡について

午睡は個人に合わせた食事の後、食事が終わった子どもから徐々に寝ていきます。年長児など眠れない子どももいますが、たとえ眠らなくても休息の時間と捉え、体を休めるようにしています。
子どもたちが自然に休めるように

 
保育者は添い寝をしたりせず、見える所にいるようにしています。
目覚めが自然にできるようにカーテンを開け、部屋を徐々に明るくしています。
パジャマに着替えて寝るのは夜寝るときだけと捉え、パジャマには着替えていません。
 

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